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大阪地方裁判所 平成元年(ワ)7530号 判決 1992年9月29日

大阪市東成区大今里南一丁目八番二一号

原告

八尾キーパー株式会社

右代表者代表取締役

中井健

右訴訟代理人弁護士

露口佳彦

大阪市東成区東中本三丁目四番二一号

被告

シンワ産業株式会社

右代表者代表取締役

鈴木亘

右訴訟代理人弁護士

上杉一美

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求の趣旨

一  被告は、別紙物件目録記載の包装用襟枠を製造し販売し貸し渡し譲渡若しくは貸渡のために展示してはならない。

二  被告は、前項記載の包装用襟枠の在庫品及び同包装用襟枠の製造に使用した金型をいずれも廃棄せよ。

三  被告は、原告に対し、金一八六万三二二五円及びこれに対する平成三年九月一日から支払い済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

本件は、被告が製造販売する包装用襟枠の意匠が原告の登録意匠に類似することを理由に、原告が被告に対し、その製造、販売の停止等を求めるとともに、意匠権侵害による損害の賠償として被告が得た利益の額の支払を求める事案である。

一  原告の意匠権

1  原告は、次の意匠権(以下「本件意匠権」といい、その登録意匠を「本件登録意匠」という。)を有している(争いがない)。

(一) 出願日 昭和五五年一二月九日

(二) 登録日 昭和五七年九月三0日

(三) 登録番号 第五九一六六一号

(四) 意匠に係る物品 包装用襟枠

(五) 登録意匠 別紙意匠公報(1)掲載のとおり

2  本件登録意匠には、次の(一)、(二)の類似意匠(以下順次「本件類似意匠(一)、(二)」という。)が登録されている(争いがない)。

(一)(1) 出願日 昭和六一年一月三0日

(2) 登録日 昭和六三年一一月一五日

(3) 登録番号 第五九一六六一号の類似1

(4) 意匠に係る物品 包装用襟枠

(5) 登録意匠 別紙意匠公報(2)掲載のとおり

(二)(1) 出願日 昭和六一年二月一三日

(2) 登録日 昭和六三年一一月一五日

(3) 登録番号 第五九一六六一号の類似2

(4) 意匠に係る物品 包装用襟枠

(5) 登録意匠 別紙意匠公報(3)掲載のとおり

3  本件登録意匠及び本件類似意匠(一)、(二)の構成

(一) 本件登録意匠の構成

本件登録意匠は、次の構成からなる(甲二の1)。

<1> 全体が枚の薄い板状体であり、

<2> 上下幅が小幅で横長の帯板状のものであって、

<3> 上縁の両端側が水平で、中央部が緩やかなV字形の傾斜面に形成され、

<4> 下縁の両端側が水平で、中央部分に下方に向けて突出する左右二片の突出片が突出形成され、

<5> この左右二片の突出片の中間に、上端が下縁の略延長線上に至る直線状の切り込みが形成され、

<6> 各突出片の基部に、下縁の延長線上に沿った直線状切り線が、これら各突出片の両端部分を残して横長に形成され、

<7> 左端縁の中央部に横外方に向けて突出する四角形の係止突起が突出形成され、

<8> 右端縁は直線状に形成され、

<9> この右端側に近い位置に]字状の係止切り目が六個並列形成されている。

(二) 本件類似意匠(一)の構成

本件類似意匠(一)は、次の構成からなる(甲二の2)。

<1> 全体が一枚の薄い板状体であり、

<2> 上下幅が小幅で横長の帯板状のものであって、

<3> 上縁の両端側が傾斜で、中央部が緩やかなV字形の傾斜面に形成され、

<4> 下縁の両端側が二段傾斜で、中央部分に下方に向けて突出する左右二片の突出片が突出形成され、

<5> この左右二片の突出片の中間に下端が小さな逆V字形で、上端は下縁の略延長線上に至るT字形の切り込みが形成され、

<6> 各突出片の基部に、下縁の延長線上に沿った皿形状切り線が、これら各突出片の両端部分を残して横長に形成され、

<7> 左端縁の中央部に横外方に向けて突出する四角形の係止突起が突出形成され、

<8> 右端縁は直線状に形成され、

<9> この右端側に近い位置に]字状の係止切り目が一〇個並列形成されている。

(三) 本件類似意匠(二)の構成

本件類似意匠(二)は、次の構成からなる(甲二の3)。

<1> 全体が枚の薄い板状体であり、

<2> 上下幅が小幅で横長の帯板状のものであって、

<3> 上縁の両端側が水平で、中央部が直線に近い程緩やかなV字形の傾斜面に形成され、

<4> 下縁の両端側が水平で、中央部分に下方に向けて突出する左右二片の突出片が突出形成され、

<5> この左右二片の突出片の中間に、上端が下縁の略延長線上に至る幅広Y字形の切り込みが形成され、

<6> 各突出片の基部に、下縁の延長線上に沿った皿形状切り線が、これら各突出片の両端部分を残して横長に形成され、

<7> 左端縁の中央部に横外方に向けて突出する四角形の係止突起が突出形成され、

<8> 右端縁は直線状に形成され、

<9> この右端側に近い位置に]字状の係止切り目が一0個並列形成されている。

二  被告の包装用襟枠の製造販売

1  被告は、昭和六三年四月一日から平成三年八月末日まで、別紙物件目録記載の包装用襟枠(以下「被告製品」という。)を業として製造し販売した(争いがない)。

2  被告製品の意匠の構成

被告製品の意匠の構成は次のとおりである(別紙物件目録)。

<1> 全体が枚の薄い板状体で形成され、

<2> 上下幅が小幅で横長の帯板状のものであって、

<3> 上縁1の両端側が水平で、中央部が直線に近い程緩やかなV字形の傾斜面2に形成され、かつ、傾斜面は中央の小さなV字形切り込みで連結され、

<4> 下縁3の両端側が水平で、中央部分に下方に向けて突出する左右二片の突出片4・4が突出形成され、

<5> この左右二片の突出片4・4の中間に、上端が下縁3の略延長線上に至る山形の切り込み5が形成され、

<6> 各突出片4・4の基部に、下縁3の延長線上に沿った皿形状切り線6・6が、これら各突出片4・4の両端部分を残して横長に形成され、

<7> 左端縁7の中央部に横外方に向けて突出する四角形の係止突起8が突出形成され、

<8> 右端縁9は直線状に形成され、

<9> この右端側に近い位置に長穴状の係止孔10が一0個並列形成されている。

三  主な争点

1  被告製品の意匠は、本件登録意匠に類似するか否か。

2  前項が肯定された場合、被告が賠償すべき原告に生じた損害の金額

(原告の主張)

被告は、被告製品を、(一)昭和六三年四月一日から平成元年六月二七日までの間に四三万五四五0枚(代金合計三九五万五六五0円)、(二)平成元年六月二七日から同年九月九日までの間に六万四一00枚(代金合計六三万六五五0円)、(三)平成元年九月一0日から平成三年八月末日までの間に三万二八00枚(代金合計三三万0四00円)それぞれ製造販売した(争いがない)。被告製品の一枚当たりの販売価額には九円、一一円及び一二円の三種類があるので、その平均販売価額は一一円となり、利益率は少くとも三割を下らないから、一枚当たりの利益は三円五0銭となる。したがって、被告は、この一枚当たりの販売利益に総販売枚数五三万二三五0を乗じて得られた一八六万三二二五円の利益を得ており、原告はこれと同額の損害を被ったものと推定される(意匠法三九条一項)。

第三  争点に対する判断

一  争点1(被告製品の意匠は、本件登録意匠に類似するか)について

(本件登録意匠の特徴)

1 本件登録意匠と被告製品の意匠は、前記のとおりの構成を有するものであり、いずれも包装用襟枠に係るものであって、この種商品は、正面と背面が表裏対称になっていて、平面、底面及び側面からの観察においては、特に特徴ある形状をとらえ得るところはなく、正面からの観察が、需要者・取引者の注意を喚起する形状の特徴があるところということができる。また、包装用襟枠は、その直接の需要者・取引者がシャツ屋・ボタン屋等限られた専門業者であり、別紙意匠公報(1)ないし(3)の「使用状態を示す参考斜視図」にみられるとおり、ワイシャツ・開襟シャツなどの襟付きのシャツを展示・収納用の箱内に折り畳み包装収納する際に、襟の内側に装着しその形崩れを防止するために使用されるものであって、その性質上直接最終需要者(消費者)の目に触れにくい箇所・状態で使用される上、ワイシャツ等を購入した最終需要者(消費者)はそれの形状等に全く関心がなく直ちにこれを不用品のゴミとして廃棄処分してしまうものであるがら、このような包装用襟枠の全体若しくは部分においては、そこに何らかの特別な装飾美を生じるものとは解し難く、結局、専ら機能美が問題になるものと認あられる。したがって、直接の需要者・取引者たる右専門業者にとっては各別の機能を有する各部分の具体的な形状が重要な関心事であり、そこにこそ機能美を感ずるものと考えられる。

この点について、原告は、被告製品の意匠が、前記のとおり分説した本件登録意匠の各構成の基本的構成態様を全て備えている以上、他の細部の形状の具体的構成態様が一部相違していても、それらの差異は、同一の構成が本件類似意匠(一)(二)に包含されているか、部分的な形状の微差であるか、又は看者の注意を惹かない部分に関するものであって、全体的な美感を異にするほど顕著なのものではないから、誤認混同のおそれがあり、両意匠は類似する旨主張する。しかしながら、登録出願前に公然知られた意匠、刊行物に記載された意匠(以下、まとめて「公知意匠」という。)及びこれらと類似する意匠は、意匠登録を受けることができない(意匠法三条一項)のであるから、登録意匠の類似範囲を検討するに際しては公知意匠を斜酌する必要があり、意匠の要部認定は、出願前公知の意匠を参考にして、ありふれた部分のウエイトを低く認識し、新規な部分のウエイトを大きく認識しながら、全体的な特徴を把握して行なわれるべきである。また、登録意匠に類似意匠が付帯するときは、類似意匠は当該登録意匠(本意匠)の要部を把握し類似範囲を明確にする有力な資料であるから、その要部を認定するにあたって類似意匠を参酌するのも当然であり、この場合も、当該登録意匠(本意匠)と類似意匠に共通する部分が公知意匠との関係で創作性の程度の低いものであれば、そのことも考慮に入れた上で類否判断の参考とすべきである。更に、本件登録意匠に係る物品である包装用襟枠は、軽量かつ小形で、極めて簡単な構成のものであって、前記指摘のようなこの物品の性質上、意匠を形成する各構成部分もそれらの本来の用途からみて必要不可欠のものがほとんどであるということができるから、各意匠が基本的構成態様において類似することになる結果となるのは必然のことである。それと同時に、包装用襟枠が流通し使用される態様としては、シャツ屋・ボタン屋等の専門業者に販売されるのが専らであり、これら専門業者は物品の購買に際してこれを自ら手にとり、あるいは至近距離から観察し、使用予定の特定の種類のシャツへの装着を想定して、装着の難易、装着後の安定度など専ら機能面を考慮しての、各構成部分の細部の具体的形状に着目して物品を吟味し選択するものと考えられる。したがって、その意匠においては、各部の具体的構成態様における差異も意匠の類否判断の核心とならざるを得ず、意匠の要部観察上これを無視することはできないのであって、単に本件登録意匠と被告製品の意匠とが前記のとおり分説した基本的構成態様において類似することのみを強調し、各部の具体的構成態様における差異は顕著なものでないとする原告の主張は当らないというべきである。

2 そこで、まず公知意匠をみるに、証拠(乙一~一0、乙一一の1~4、乙一二~一五、検乙一~四、被告代表者)によれば、本件登録意匠に係る物品である包装用襟枠(包装用台紙、包装用枠、ワイシャツのカラー保形具、ワイシャツ襟保形用カラーサポータ等と呼称される場合がある。)に関し、本件登録意匠の出願前に、本件登録意匠の要部を考察する上で参考になると思われる次の意匠が公然知られていたことが認められる。

(一) 別紙意匠公報(4)(昭和四五年一二月三日発行)に掲載された登録第三一六六五0号の包装用台紙の意匠(以下「公知意匠<1>」という。)

(二) 別紙意匠公報(5)(昭和五三年一月一七日発行)に掲載された登録第三一六六五0号の類似1の包装用台紙の意匠(以下「公知意匠<2>」という。)

(三) 別紙意匠公報(6)(昭和五四年七月四日発行)に掲載された登録第三一六六五0号の類似2の包装用台紙の意匠(以下「公知意匠<3>」という。)

(四) 別紙意匠公報(7)(昭和四六年三月五日発行)に掲載された登録第三二五一五二号の包装用枠の意匠(以下「公知意匠<4>」という。)

(五) 別紙意匠公報(8)(昭和四六年三月六日発行)に掲載された登録第三二五一五二号の類似1の包装用枠の意匠(以下「公知意匠<5>」という。)

(六) 別紙意匠公報(9)(昭和四六年三月六日発行)に掲載された登録第三二五一五二号の類似2の包装用枠の意匠(以下「公知意匠<6>」という。)

(七) 別紙意匠公報(10)(昭和五五年一月五日発行)に掲載された登録第三二五一五二号の類似3の包装用枠の意匠(以下「公知意匠<7>」という。)

(八) 別紙意匠公報(11)(昭和五五年一月五日発行)に掲載された登録第三二五一五二号の類似4の包装用枠の意匠(以下「公知意匠<8>」という。)

(九) 被告が、昭和五四年一二月頃から昭和五五年六月頃までの間に製造販売した別紙「A号物件図面」記載の製品の意匠(以下「被告A号意匠」という。)

(一〇) 被告が、昭和五五年二月頃から同年三月頃までの間に製造販売した別紙「B号物件図面」記載の製品の意匠(以下「被告B号意匠」という。)

(一一) 被告が、昭和五五年一月頃から同年七月頃までの間に販売した別紙「C号物件図面」及び「D号物件図面」記載の製品の各意匠(以下順次「被告C号意匠、D号意匠」という。これら製品の包装収納時におけるワイシャツ等への装着状況は、別紙公開実用新案公報第1ないし第5図記載のとおりである。)

3 次に、右各公知意匠と本件登録意匠の異同を対比し、本件登録意匠の要部について考える。

(一) 本件登録意匠の構成<1>の全体が一枚の薄い板状体で形成されている点及び同<2>の上下幅が小幅で横長の帯板状のものである点は、いずれも本件登録意匠の基本形状であって、右基本形状自体は前記公知意匠<1>ないし<8>及び被告AないしD号意匠と同一であって、右<1>及び<2>の形状に格別の特徴はない。

(二) 本件登録意匠の構成<3>のうち、上縁の両端側が水平である点は、公知意匠<1>の意匠公報(乙一)の参考図面(従来のエリ保形板を表わす図面)に上縁及び下縁の双方を水平に形成したエリ保形板の意匠が開示されているように、当時から広く行なわれていたものと認められる。また、包装用襟枠の中央部が装着するシャツの襟の形状に合せてその内角を決定しV字形の傾斜面に形成されている基本的構成それ自体も、主としてこの物品の機能面から定められる性質のものであって、これと同一又は酷似する構成が前記公知意匠<1>ないし<8>及び被告AないしD号意匠にもみられるところであり、いずれも格別新規なものではない。

(三) 本件登録意匠の構成<4>のうち、下縁の両端側が水平である点は、前示のとおり、上縁及び下縁の双方を水平に形成したエリ保形板の意匠が当時から広く行なわれていたものであり、中央部分に下方に向けて突出する左右二片の突出片が突出形成されている点及び本件登録意匠の構成<6>の各突出片の基部に、下縁の延長線上に沿った直線状切り線が、これら各突出片の両端部分を残して横長に形成されている点は、その線で折り曲げられるという機能上の必要に基づくものであって、本件登録意匠出願前に被告が製造販売した被告C号意匠及びD号意匠にも同様の構成がみられるところであり、本件登録意匠において新規に採用されたというものではない。もっとも、下縁の両端側を水平にし、かつ、中央部分に下方に向けて突出する左右二片の突出片を突出形成している点は、右の組み合わせにおいて本件登録意匠と全く同一のものは、前記公知意匠にはみられず、新規なものと認められるけれども、包装用襟枠の意匠において、下縁の両端側を水平に形成する構成は前記のとおり極くありふれたものであり、この構成と中央部分に下方に向けて襟枠の浮き上がり予防のために突出する左右二片の突出片を突出形成し、各突出片の基部に直線状切り線を形成した構成を組合せた基本構成の上に立ち、更にワイシャツ等への装着時に各突出片を右切り線に沿って垂直方向に、また襟枠本体を襟首の形に沿って三角状に折り曲げる作用を果す、中央部分の円形山形切り込みを形成した外、左右下縁の中間部分に襟枠本体を更に内側に折り曲げる作用を果す円形山形切り込みを各一箇所形成したものである被告C号及びD号意匠が本件登録意匠出願前に被告製造販売の包装用襟枠に採用されていたこと、他方本件登録意匠は右同様の基本構成の上に立ち、被告C号及びD号意匠における中央部分の円形山形切り込みに代えて直線の切り込みを設け、左右下縁の中間部分各一箇所に設けた折り曲げるための円形山形切り込みを設けず、各突出片以外の下縁に従来からあった極くありふれた水平直線状を採用したもの(このようにすると従来どおり平均的に曲がることになる。)であるから、本件登録意匠の右新規な組合わせも当業者であれば極めて容易に想到し得るものと考えられ、そこには必ずしも大きな創作性を認めることはできないから、そのこと自体によって本件登録意匠を特徴付け、見る者の注意を強く惹く構成とは俄かに考えられない。右事実関係に鑑みると、左右二片の突出片の構成が本件登録意匠において特段にウェイトの高い要部とはいえないというべきである。現に、本件登録意匠に類似する意匠として出願・登録された本件類似意匠(一)は、上縁の両端側を傾斜にし、下縁の両端側を二段傾斜にした以外は、概ね本件登録意匠と共通のものである。これによれば、下縁の両端側を水平にし、かつ、中央部分に下方に向けて突出する左右二片の突出片を突出形成するか否かの基本的構成態様の異同が本件登録意匠の要部とその類否を決する重要な要素となっていないことが明らかである。したがって、この点からみても、本件登録意匠の構成<4>の基本的構成態様が本件登録意匠において特段にウェイトの高い要部とはいえない。ただ、本件登録意匠の左右二片の突出片の具体的構成態様は、各辺が直線で囲まれた矩形で、かつ、右矩形の各隅部は一応アール面に形成されてはいるものの、その曲率半径はかなり小さく、全体として曲線感覚を生じさせるものではなく、下縁の両端側を水平に形成した構成と相まって、これを本件登録意匠の構成<3><5>の具体的構成態様と一体として観察すれば、本件登録意匠全体に公知意匠にはない独特の統一的な直線的感覚と動的感覚を生じさせているものということができ、その点は新規なものであるということができる。

(四) 本件登録意匠の構成<5>の左右二片の突出片の中間に、上端が下縁の略延長線上に至る直線状の切り込みが形成されている点は、前記公知意匠に全く同一の構成は見られない。しかし、この点は装着時に突出片が直線状切り線の位置で折り曲げられ、左右に分離されることになる関係から機能上必要不可欠なものであって、被告C号及びD号意匠では円形山形の切り込みが採用されており、現に本件類似意匠(二)は右突出片の中間に直線状の切り込みではなくて空間(被告C号及びD号意匠とは空間の形態が異なる。)が形成されている構成になっていることからみても、右の構成は本件登録意匠において特段にウェイトの高い要部とはいえない。とはいっても、右直線状の切り込みは、細部に関する形状でありながらも、本件登録意匠の構成<3><4>の具体的構成態様と相まって、本件登録意匠全体に公知意匠にはない独特の統一的な直線的感覚と動的感覚を生じさせる要因の一つとなっていることは否めず、その点は新規なものであるということができる。

(五) 本件登録意匠の構成<7>ないし<9>の各構成が本件登録意匠の出願前に公知のありふれた構成であることは、前記公知意匠<1>ないし<8>及び被告AないしD号意匠からも明らかである。

4 以上によれば、本件登録意匠の構成<1>ないし<9>は、それら構成部分を個々別々に切り離して考察すれば、それら個々の構成部分の形状と同一又は酷似する構成が既に公知意匠の構成に採用されているか、あるいは機能上の必要に基づき従来から採用されてきた一般常識的な基本的形状であって、いずれもそれ自体で本件登録意匠において特段にウェイトの高い要部ということができるものはないと認められる。しかし、意匠は部分的な構成が他の部分の構成と有機的に結合して、全体的な美感を生み出すものであるから、前記の諸点を総合考慮すると、結局、意匠に係る物品が軽量かつ小形で、極めて簡単な構成のものである関係上、その正面外観全体が新規な美感を形成しているものとして登録されたものと考えざるを得ず、本件登録意匠の看者の注意を惹く部分(要部)は、右中央部のV字形の傾斜面、左右二片の突出片、この左右二片の突出片の中間に形成された切り込みの具体的構成態様及び右端側に近い位置に形成された係止切り目の構成を含めた、正面から見た外観全体であると解するほかない。

5(一) ところで、前記2で認定の事実及び弁論の全趣旨によると、包装用襟枠の意匠は、昭和四0年代から五0年代初め頃にかけては、腕を少し折り曲げたような単純な基本形態をしたもの(公知意匠<1>ないし<8>)が主流であり、本件登録意匠や被告C号意匠及びD号意匠の如く中央部分に下方に向けて突出する左右二片の突出片が突出形成されたものはなく、その後、昭和五四年一二月頃から五五年二月頃にかけて、被告A号意匠、B号意匠、C号意匠及びD号意匠が創作され、被告が右各意匠を有する製品の製造販売を開始し、その後、本件登録意匠の意匠登録出願がされたという経緯が認められる。そこで、以下、本件登録意匠を被告C号意匠及びD号意匠と比較していかなる点に新規な構成があるか改めて整理して検討する。

(二) 被告C号意匠及びD号意匠の構成

被告C号意匠及びD号意匠は次の構成からなる(C号物件図面、D号物件図面)。

<1> 全体が、一枚の薄い板状体であり、

<2> 上下幅が小幅で横長の帯板状のものであって、

<3> 上縁の両端側が水平で、中央部が緩やかなV字形の傾斜面に形成され、

<4> 下縁の両端側が水平で、左右の中間部分に円形山形切り込みが各一箇所形成され、かつ中央部分に下方に向けて突出する左右二片の突出片が突出形成され、

<5> この左右二片の突出片の中間に、上端が下縁の略延長線上に至る円形山形切り込みが形成され、

<6> 各突出片の基部に、下縁の延長線上に沿った直線状切り線が、これら各突出片の両端部分を残して横長に形成され、

<7> 左端縁の中央部に横外方に向けて突出する四角形の係止突起が突出形成され、

<8> 右端縁は直線状に形成され、

<9> この右端側に近い位置に長穴状の係止孔が三個並列形成されている。

そして、被告C号意匠及びD号意匠は、下縁の両端側を水平にする構成に加えて、新規な構成である、中央部分に下方に向けて襟枠の浮き上がり予防のために突出する左右二片の突出片を突出形成し、各突出片の基部に直線状切り線を形成した構成を組み合わせた基本構成を採用することにより、看者に対して、公知意匠<1>ないし<8>や被告A号意匠及びB号意匠等の従来の包装用襟枠の意匠とは著しく異なった印象を与える意匠となっている。

(三) これに対して本件登録意匠の構成は前記のとおりであり、被告C号意匠及びD号意匠と比較すると、<1>、<2>、<3>、<6>、<7>及び<8>の構成は同一であるうえ、<4>のうち下縁の両端側及び中央部分の構成、<5>のうち、左右二片の突出片の中間に、上端が下縁の略延長線上に至る切り込みが形成された構成、<9>のうち右端側に近い位置に係止部が複数個並列形成されている構成も同一であって、相違点は、<4>のうち被告C号意匠及びD号意匠においては左右下縁の中間部分各一箇所に設けた円形山形切り込みを設けていない点(以下「特徴α」という。)、<5>のうち突出片中間の切り込みの形状を被告C号意匠及びD号意匠の円形山形に代えて直線としている点(以下「特徴β」という。)及び<9>のうち係止部の形状及び個数を被告C号意匠及びD号意匠の長穴状の係止孔三個に代えて]字状の係止切り目六個としている点(このうち個数の点は微差にすぎないと考えられるので、係止部の形状を以下「特徴γ」という。)の三点にすぎない。被告C号意匠及びD号意匠は、従来の意匠と比べて著しく異なる印象を与えることに比すると、右三点の差異はさほど顕著なものではなく、共通点から生じる印象の方がはるかに勝り、本件登録意匠は被告C号意匠及びD号意匠に類似し、意匠登録を受けることができるための要件を欠くと考える余地もあるが、現時点では、本件登録意匠は有効に登録されているのであるから有効なものとして扱わなければならないけれども、その類似範囲を考えるに当たっては、前記正面から見た外観全体のうちでも、特に、公知意匠である被告C号意匠及びD号意匠と比べて新規な構成である右特徴α、β、γの三点のウェイトを重く見て検討しなければならない。

(本件登録意匠と被告製品の意匠の対比)

6(一) そこで、以上を前提として本件登録意匠と被告製品の意匠とを対比するに、被告製品の意匠は、構成<1>、<2>、<3>のうち「上縁の両端側が水平で、中央部が傾斜面に形成されている点」、<4>、<5>のうち「左右二片の突出片の中間に、上端が下縁の略延長線上に至る切り込みが形成されている点」、<6>のうち「各突出片の基部に、下縁の延長線上に沿った切り線が、これら各突出片の両端部分を残して横長に形成されている点」、<7>、<8>、<9>のうち「右端側に近い位置に係止部が並列形成されている点」の各点で本件登録意匠と共通しているが、両意匠は各部分の具体的構成態様に関して、(1)傾斜面の傾斜の度合いが被告製品の意匠では本件登録意匠に比べ緩やかでありその部分も短い、(2)左右二片の突出片中間の切り込みが被告製品の意匠では山形に切り取られているが、本件登録意匠では該当部分は切り目のみで空間は形成されていない、(3)被告製品の意匠では突出片の下端隅が柔らかい丸みに形成されているが、本件登録意匠ではほぼ直角に近く角張っている、(4)各突出片の基部の切り線が被告製品の意匠では皿形状であるが、本件登録意匠では直線である点、及び(5)右端側に近い係止切り目が被告製品の意匠では長穴状で空間が形成されているが、本件登録意匠では]字状の切り目のみで空間がない点で顕著な差異がある。特に、本件登録意匠が公知意匠と相違する点である前記特徴α、β、γの三点についてみると、被告製品の意匠は特徴αを具備するのみで、特徴β、γのいずれも具備していない。そして、右差異の大部分は目につき易い意匠の正面視中央部分に現れ、その包装用襟枠全体において占める大きさや位置のみならず、機能面からみても看者の注意を強く惹く部分に関するものであって、基本的な構成態様から受ける共通した印象を破るほどの顕著な差異と認められ、両意匠は、視覚を通じての美感を明らかに異にし、両者は誤認混同のおそれがあるとは考えられないから、類似すると認めることはできない。

(二) この点に関して、原告は、右(1)の相違点は、本件類似意匠(二)の傾斜面の傾斜の度合いの方が被告製品の意匠のそれよりももっと緩やかでその部分も短いから類似の範囲を出ない、右(2)の点(特徴βに関する)は、本件類似意匠(二)が幅広Y字形の切り込みで空間が形成されていることと対比すると未だ類似の範囲を出ない、右(5)の点(特徴γに関する)は、周知技術の選択の範囲内のものであって、意匠感を大きく左右する差異ではなく、その余の差異はごく些細な差異にすぎない旨主張する。確かに、類似意匠は「自己の登録意匠にのみ類似する意匠」(意匠法一0条一項)であるから、本意匠の類似範囲を認定する際には、類似意匠の構成を参酌すること自体は相当であるが、右主張は次のとおりいずれも失当である。

まず、特徴γに関して、係止部の形状は周知技術の選択の範囲内のものであって意匠感を大きく左右する差異ではない旨の主張は、被告C号意匠及びD号意匠の存在を看過するものである。すなわち、本件類似意匠(二)は、本件登録意匠における被告C号意匠及びD号意匠と異なる構成である特徴α、β、γの三点のうち、特徴α及びγを備えているが、特徴βを具備しておらず、被告C号意匠及びD号意匠と同じく左右二片の突出片中間の切り込みは空間が形成されているから、仮に本件類似意匠(二)が更に特徴γも備えず、被告C号意匠及びD号意匠と同じく長穴状の係止孔であるとすると、三点の特徴のうち一点で本件登録意匠と共通するが、二点は具備しないこととなり、右二点の構成は被告C号意匠及びD号意匠と共通することになる。前記のとおり、本件登録意匠と被告C号意匠及びD号意匠は特徴α、β、γに関する相違以外は同一の構成であるから、本件類似意匠(二)に右改変を加えた意匠は、本件登録意匠よりも被告C号意匠及びD号意匠に類似すると解され、「自己の登録意匠にのみ類似する意匠」(意匠法一0条一項)にあたらず、類似意匠登録を受けることができないことになると考えられる。そうすると、本件類似意匠(二)においては、特徴γを具備することが、被告C号意匠及びD号意匠の類似範囲を脱して本件登録意匠にのみ類似する意匠と認め得るための分水嶺となっているということができるから、原告主張の如く係止部の形状は意匠感を大きく左右する差異ではないということは到底できず、ウェイトを置くべき要部の一つと認めるべきである。

本件類似意匠(二)は、確かに、傾斜面の傾斜の度合いは被告製品の意匠のそれよりも緩やかでその部分も短く、特徴βを欠いて左右二片の突出片中間の切り込みが幅広Y字形で空間が形成されているが、その余の構成は被告製品の意匠と同じというわけではなく、むしろ、被告製品の意匠が欠いている特徴γ(]字状の係止切り目)を具備しており、その点において本件登録意匠と共通するのであるから、本件類似意匠(二)が本件登録意匠にのみ類似すると認められて類似意匠登録されているからといって、本件登録意匠と傾斜面の傾斜の度合いや突出片中間の切り込みの形状等で相違するのみならず、特徴γも欠く、被告製品の意匠までもが本件登録意匠に類似すると認めることはできない。

(三) 結局、被告製品の意匠は、本件登録意匠が公知意匠である被告C号意匠及びD号意匠と相違する、前記特徴α、β、γの三点のうち、特徴α(被告C号意匠及びD号意匠においては左右下縁の中間部分各一箇所に設けた円形山形切り込みを設けていない点)を具備する点では、本件登録意匠と共通するけれども、他方、特徴β及びγの二点は具備せず、突出片中間の切り込みが空間を形成していること及びその山形形状において被告C号意匠及びD号意匠とむしろ共通性が高く、係止部の形状も被告C号意匠及びD号意匠と同じく長穴状の係止孔であること、本件登録意匠と被告C号意匠及びD号意匠は特徴α、β、γに関する相違以外は同一の構成であることを総合考慮すると、被告製品の意匠から受ける美感は、本件登録意匠から受ける美感よりも、被告C号意匠及びD号意匠から受ける美感と共通性が高いと認められるので、被告C号意匠及びD号意匠が公知意匠として存在する事情の下においては、やはり、被告製品の意匠は、本件登録意匠とは視覚を通じての美感を異にするというべきである。

二  結論

以上の次第で、その余の点について判断するまでもなく、本件意匠権の侵害を理由とする原告の請求はいずれも理由がない。

(裁判長裁判官 庵前重和 裁判官 小澤一郎 裁判官 辻川靖夫)

物件目録

別紙イ号図面に示す包装用襟枠

(各部の名称)

1 上縁

2 傾斜面

3 下縁

4 突出片

5 切り込み

6 切り線

7 左端縁

8 係止突起

9 右端縁

10 係止孔

イ号図面

<省略>

意匠公報(1) 日本国特許庁

昭和58年(1983)1月20日発行 意匠公報(S)

21-05

591661 意願 昭55-51437 出願 昭55(1980)12月9日

登録 昭57(1982)9月30日

創作者 中井健 奈良市菅原西町609番地の6

意匠権者 八尾キーパー株式会社 大阪市東成区大今里南1丁目8番21号

代理人 弁理士 北村修

意匠に係る物品 包装用襟枠

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる。

<省略>

意匠公報(2) 日本国特許庁

昭和64年(1989)2月21日発行 意匠公報(S)

F4-91131類似

591661の類似1 意願 昭61-3047 出願 昭61(1986)1月30日

登録 昭63(1988)11月15日

創作者 中井健 奈良県奈良市菅原町609番地の6

意匠権者 八尾キーパー株式会社 大阪府大阪市東成区大今里南1丁目8番21号

代理人 弁理士 佐当弥太郎

審査官 本川のり子

意匠に係る物品 包装用襟枠

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる。

<省略>

意匠公報(3) 日本国特許庁

昭和64年(1989)2月21日発行 意匠公報(S)

F4-91131類似

591661の類似2 意願 昭61-4800 出願 昭61(1986)2月13日

登録 昭63(1988)11月15日

創作者 中井健 奈良県奈良市菅原町609番地の6

意匠権者 八尾キーパー株式会社 大阪府大阪市東成区大今里南1丁目8番21号

代理人 弁理士 佐当弥太郎

審査官 本川のり子

意匠に係る物品 包装用襟枠

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる。

<省略>

意匠公報(4) 日本国特許庁

昭和 45.12.3 発行 意匠公報

21

316650 出願 昭 42.6.3 意願 昭 42-16124 登録 昭 45.6.4

創作者 早瀬芳夫 大阪市東区安土町3の17シルバーシヤツ早瀬株式会社内

意匠権者 シルバーシヤツ早瀬株式会社 大阪市東区安土町3の17

代表者 早瀬芳夫

代理人弁理士 江原秀 外1名

意匠に係る物品 包装用台紙

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる

<省略>

意匠公報(5) 日本国特許庁

昭和 53.1.17 発行 意匠公報

21類似

316650の類似1 出願 昭 50.8.29 意願 昭 50-35352 登録 昭 52.8.18

創作者 早瀬芳夫 大阪市東区安土町3の17シルバーシヤツ早瀬株式会社内

意匠権者 シルバーシヤツ早瀬株式会社 大阪市東区北久宝寺町2の38

代理人弁理士 江原秀 外1名

意匠に係る物品 包装用台紙

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる

<省略>

意匠公報(6) 日本国特許庁

昭和 54.7.4 発行 意匠公報(S)

21-05類似

316650の類似2 出願 昭 52.1.18 意願 昭 52-1219 登録 昭 54.3.27

創作者 早瀬芳夫 大阪市東区北久宝寺町2丁目38番地シルバーシヤツ早瀬株式会社内

意匠権者 シルバーシヤツ早瀬株式会社 大阪市東区北久宝寺町2丁目38番地

代理人弁理士 江原秀 外1名

意匠に係る物品 包装用台紙

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる

<省略>

意匠公報(7) 日本国特許庁

昭和 46.3.5 発行 意匠公報

21

325152 出願 昭 44.4.1 意願 昭 44-9768 登録 昭 45.12.11

創作者 八尾憲志 大阪市東成区大今里南之町2の112の6

意匠権者 八尾キーパー株式会社 同所

代理人弁理士 藤田辰之丞 外1名

意匠に係る物品 包装用枠

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる

<省略>

意匠公報(8) 日本国特許庁

昭和 46.3.6 発行 意匠公報

21

325152の類似1 出願 昭 44.4.1 意願 昭 44-9769 登録 昭 45.12.11

創作者 八尾憲志 大阪市東成区大今里南之町2の112の6

意匠権者 八尾キーパー株式会社 同所

代理人弁理士 藤田辰之丞 外1名

意匠に係る物品 包装用枠

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる

<省略>

意匠公報(9) 日本国特許庁

昭和 46.3.6 発行 意匠公報

21

325152の類似2 出願 昭 44.4.1 意願 昭 44-9770 登録 昭 45.12.11

創作者 八尾憲志 大阪市東成区大今里南之町2の112の6

意匠権者 八尾キーパー株式会社 同所

代理人弁理士 藤田辰之丞 外1名

意匠に係る物品 包装用枠

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる

<省略>

意匠公報(10) 日本国特許庁

昭和 55.1.5 発行 意匠公報(S)

21-05類似

325152の類似3 出願 昭 52.5.16 意願 昭 52-18697 登録 昭 54.9.27

創作者 中井健 奈良市菅原西町306の6

意匠権者 八尾キーパー株式会社 大阪市東成区大今里南1丁目8番21号

代理人弁理士 蔦田璋子 外1名

意匠に係る物品 包装用枠

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる

<省略>

意匠公報(11) 日本国特許庁

昭和 55.1.5 発行 意匠公報(S)

21-05類似

325152の類似4 出願 昭 52.5.16 意願 昭 52-18698 登録 昭 54.9.27

創作者 中井健 奈良市菅原西町306の6

意匠権者 八尾キーパー株式会社 大阪市東成区大今里南1丁目8番21号

代理人弁理士 蔦田璋子 外1名

意匠に係る物品 包装用枠

説明 背面図は正面図と対称にあらわれる

<省略>

A号物件図面

<省略>

B号物件図面

<省略>

C号物件図面

<省略>

D号物件図面

<省略>

<19>日本国特許庁(JP) <11>実用新案出願公開

<12>公開実用新案公報(U) 昭56-175378

<51>Int.Cl.3B 65 D 85/18 識別記号 庁内整理番号 6564-3E <43>公開 昭和56年(1981)12月24日

審査請求 未請求

<54>ワイシヤツのカラー保形具

<21>実願 昭55-67030

<22>出願 昭55(1980)5月15日

<72>考案者 林正彦 堺市大浜北町3丁目4番7-612号

<71>出願人 カネタシヤツ株式会社 大阪市東区博労町四丁目四十四番地

<74>代理人 弁理士 植木久一

<57>実用新案登録請求の範囲

(1) 折畳みワイシヤツのカラー内面部に配置するカラー保形具であつて、台衿部と前衿部との内面に沿う様に1枚で構成され、且つ台衿部のほぼ中央で互いに組み合わす様な薄板材で形成され、その前衿部保形部の底側に、外方に向けて折返片を形成し、該折返片によつて前記前衿部の保形性を向上させると共に、保形具の脱出を防止する様にしたことを特徴とするワイシヤツのカラー保形具。

(2) 実用新案登録請求の範囲第1項において、前衿部と折返辺との間にスリツトを形成したものであるワイシヤツのカラー保形具。

(3) 実用新案登録請求の範囲第1項において、前衿部の高さを前衿の稜線より高く形成したものであるワイシヤツのカラー保形具。

図面の簡単な説明

第1図は従来の包装形態を示す正面図、第2図は本考案のカラー保形具を示す斜視図、第3図はカラー保形具をシヤツに取り付けた状態を示す斜視図、第4図は包装状態を横から見た側面図、第5図は第4図のV-V線要部拡大断面図である。

1……衿、2……保形具、3……稜線、4……前衿、7……前衿部、8……台衿部、9……折返し片、10……スリツト。

第1図

<省略>

第2図

<省略>

第3図

<省略>

第4図

<省略>

第5図

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

意匠公報

<省略>

公開実用新案公報

<省略>

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